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カンジダについて教えてください

カンジダについて教えてください。

カンジダは痒みの原因になる菌です。
それほど珍しい菌ではなく、多くの女性が腟内に持っているのですが、普段は菌の数自体が少ないので、症状が出ません。
ただ、体調を崩したり、抗生物質を飲むと、本来は腟の中に沢山いるはずの「乳酸菌」が減ってしまい、代わりにカンジダが増えてしまうことになります。

カンジダ症の症状

何といって痒みの原因になります。
また、典型的には白い塊のようなオリモノであったり、ヨーグルト状のオリモノが出てきます。
ただし、カンジダの菌がまだそれほど多くないと、痒みがあるけれどオリモノが気にならないとか、腟の中に塊となったカンジダが沢山あるだけで、自覚症状としてオリモノ異常を感じない、などの場合もあります。そのため、オリモノに対する自覚症状だけでは、判断できないことも。
特にデリケートゾーンに対する痒みに対して市販の軟膏を使って、痒みが長引いたときには、肌が荒れてしまって真っ赤になり、痛みが出てくることもあります。
初期治療として軟膏を試してもらうのは大丈夫ですが、改善しない場合には早めに受診されることをお勧めします。

カンジダの検査

典型的なオリモノであれば一目見るだけでカンジダだと診断がつきますが、おりもの検査をして他の原因がないか調べることもあります。 (痒みの原因として、まれにトリコモナスという病気もあり、これはおりもの検査をしてみないとわかりません)

カンジダの治療

カンジダに効く塗り薬と、腟錠(ご自身で腟の中に入れてもらうタイプの薬)を使います。
連日腟洗浄をするために通院が必要と言うクリニックもありますが、基本的にはご自身で腟錠を使うだけで改善することが多く、連日通院の方針は取っていません。
なお、ご自身でどうしても腟の中に薬を入れられない方や、性行経験のない方には内服薬もあるため、ご相談ください。

カンジダの予防

ほとんどのカンジダは、塗り薬・腟錠を使うことで数日で改善します。ただし、治りやすい反面、再発しやすいというのも特徴です。人によっては毎月繰り返すことも。
先ほど説明したように、腟内には乳酸菌がいるのが正常な状態なので、日ごろからヨーグルトなど乳酸菌を積極的に摂ることがカンジダ予防につながる可能性はあります。
また、クリニックとして乳酸菌サプリを取り扱っていますので、お気軽にご相談下さい。

こちらは乳酸菌の効果を示す論文です。
Randomised clinical trial in women with Recurrent Vulvovaginal Candidiasis: Efficacy of probiotics and lactoferrin as maintenance treatment.

こちらの論文では、カンジダ腟炎を繰り返す48人の女性を2つのグループに分けて検討しています。
全員にクロトリマゾールという一般的なカンジダ治療薬を使った後、一方のグループにはプラセボ(何の意味もない錠剤)を内服してもらい、もう一方のグループには乳酸菌とラクトフェリンの含まれる錠剤を内服してもらいました。

内服量としては、プラセボも乳酸菌・ラクトフェリンの錠剤も、最初の5日間は1日2錠、次の10日間は1日1錠内服し、続く6ヶ月間は毎月10日間連続して1日1錠内服するというスケジュールです。その結果、最初にクロトリマゾールを投与すると、明らかに症状は改善するのですが、その後の半年間で乳酸菌・ラクトフェリンのグループでの再発率が明らかに低くなったのです。3ヶ月経過後で比較すると、乳酸菌・ラクトフェリングループの再発率33.3%に対して、プラセボは再発率91.7%。 6ヶ月経過後で比較すると、乳酸菌・ラクトフェリングループの再発率29.2%に対して、プラセボは再発率100%という結果になりました。

このように、カンジダの再発をかなりの確率で予防することができると言えます。対象となった方の人数が48人と非常に少ないのですが、乳酸菌やラクトフェリンは副作用もなく摂取できると思うので、カンジダの再発で悩んでいる方は、一度お試しください。

医療法人皓慈会 浅川産婦人科
理事長・院長 浅川恭行

経歴

1993年 東邦大学 医学部卒業
1999年 社団法人日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
2007年 東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科講師(病院)
2007年 日本産婦人科医会 幹事
2009年 医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事
2017年 医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事長・院長

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