Drやすゆきの相談室
浅川産婦人科の院長 Drやすゆきが、お産のお悩みについてお答えしていきます
当院で特に力をいれている母と子のメンタルヘルスの関連です。是非お読み下さい。
産後うつ病はおよそ10%の罹患率があり、気分の落ち込みや楽しみの喪失、自責感や自己評価の低下などを訴え、産後3か月以内に発症することが多いです。マタニティブルーズが通常は1-2週間でおさまるのに対し、症状は2週間以上持続します。マタニティブルーズがあった女性は産後うつ病発症のリスクが高まると言われています。発症の背景要因として、うつ病の既往の他、パートナーからのサポート不足など育児環境要因による影響も大きいとされています。妊娠中から不安やうつの問題がおこっている場合も少なくないため、妊娠中か…
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運動にはもうひとつ重要な役割があります。それは血栓症の予防です。
血栓症とは、血管の中で血液が固まり、血液がうまく流れなくなる病気のことを言います。
妊婦さんはお腹に大きな子宮をかかえていますので、両足からの血が体の上に戻りにくく、
下肢に血液が溜まりがちになります。
そもそも、妊婦さんはお産のときの出血に備えて、血が固まりやすい状態です。
それらが原因となり、下肢の血管の中で、血栓という血の塊を作ってしまうことがあります。
また、血栓が流れてしまって、肺の血管を詰まらせてしまうことも。
そのような状態は稀ですが、お母さんにとって大…
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薬を正しく飲んでいますか?
例年猛威を振るうスギなどの花粉症、薬を飲んでも症状が治まらない。
セレスタミンというステロイド入りの薬を長期間内服していたり、ケナコルトというステロイドの注射を行っている人を時々みかけます。
ステロイドは長期間に渡って使用すると、骨がもろくなったり、免疫力を抑えるなどの重い副作用があります。
今、もらっている抗アレルギー薬をまずは正しく、有効的に飲んでいますか?
市販でも売られているアレグラという薬があります。眠気が出にくく使いやすいです。よく食後に飲んでいる人がいますが、食前30分前と食後内服で血中濃度を調べると、…
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微弱陣痛とは、陣痛が弱く、なかなか赤ちゃんが出てこれない状態をいいます。
微弱陣痛の原因は以下のようなことが考えられます。
・骨盤の大きさや子宮筋腫があるケースなど、妊娠前からの原因
・赤ちゃんの大きさや姿勢など、今回の妊娠によって起こるケース
最初は普通の陣痛でも、お母さんが疲れてきてしまい、途中から微弱陣痛になって陣痛促進剤などの処置が必要になることもあります。
一度お産を経験している経産婦さんは、分娩所要時間の長い初産婦さんよりは、微弱陣痛の頻度は少ないので心配しすぎることはありません。
ただし、経産婦さんだと微弱陣痛であっても、お…
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痔の症状は、妊娠する前からありましたか?
妊娠してから発症したのだとすれば、ほとんどは分娩後数週間のうちに良くなるので心配はいりません。
まず、シャワーの時などにやさしく肛門を洗い流して、清潔を保つようにしてください。温水洗浄便座などもいいでしょう。感染を予防することが痔の悪化を防ぐ上で最も大切です。
便秘は痔を悪化させるので、規則正しい生活リズムと食習慣を意識することで、便秘の改善を図ってください。
排便は2日以上ためないように注意し、それが困難なら緩下剤などを使ってもよいです。排便時もなるべくいきまないようにしましょう。
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仰向けに寝ると苦しいのは、妊娠後期の妊婦さんによくある症状ですね。
仰向けに寝ると、妊娠した子宮が脊柱(背骨)の右側にある太い静脈を圧迫します。このため心臓へ戻る血液量が減少し、血圧が急激に低下してしまいます。
この血圧低下のため、動悸、気分不快、吐き気、冷汗、顔面蒼白などが生じます。
このような症状が起こった場合には、仰向けから左横向きに寝る姿勢をとることで心臓に血液が戻り、症状は速やかに回復します。自宅でもなるべく仰向けに寝ないようにした方がよいでしょう。
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HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンをご存じでしょうか。
子宮頸がんワクチンとも呼ばれ、この予防接種を受けることで将来、子宮頸がんになるリスクを減らす効果があるとされています。
HPV(ヒトパピローマウイルス)とは
HPVは皮膚や粘膜に感染するウイルスで、性行為によって感染します。
HPVに感染する割合は、性行為を行う女性の50~80%と報告されており、予防しなければ多くの方が一生に一度は感染しうるウイルスといわれています(厚生労働省より)。
HPVに感染しても、90%以上の場合で、ウイルスは自然に消滅します。ただし、この自然なウイルスの排泄が起こ…
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分娩監視装置は、赤ちゃんにストレスをかけないで、陣痛の様子や赤ちゃんの健康状態を観察できる機械です。
赤ちゃんの心拍数は、赤ちゃんの酸素のバランスや血のめぐりの変化に合わせてリアルタイムで大きく変化します。
そのため、妊婦健診では、赤ちゃんの心拍数が胎動時などに正常に反応しているか、また、お産の時には、陣痛が強すぎていないか、あるいは弱すぎていないか、さらに、陣痛に合わせて赤ちゃんが苦しがっていないかなどを分娩監視装置で観察します。とくにお産のとき、分娩監視装置などで赤ちゃんの心拍数を頻回にモニターすることは、赤ちゃんの状態が急に悪くなってしまうことを見逃さない…
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初めての生理がくる時は人それぞれです。ある日突然始まるので、びっくりしてしまわないように家族で話をして準備をしておくとよいでしょう。ここでは、初めての生理について知っておくべきこと、必要なものなどについてお話ししたいと思います。
初経ってなに?いつ始まるの?
初経(しょけい)は初めての生理のことで、初潮(しょちょう)とも言います。
初経はだいたい10~14歳までに来ると言われています。早すぎたり、おそすぎたりしないかぎりは心配する必要はありません。10歳になる前に月経が始まったり、満15歳になっても初経が来なかったりする場合には、念のために産婦…
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妊娠は女性にとって人生の大きな転機となるため、もし妊娠しているなら早めに気づきたいですね。ここでは、妊娠の検査方法や、妊娠初期に現れる症状についてお話ししたいと思います。
そもそも妊娠が成立するのはいつ?
排卵日に性交渉すればすぐ妊娠するというわけではありません。妊娠は、受精卵が子宮の内膜に潜り込めた状態(着床と言います)になって初めて成立します。妊娠成立までのプロセスは下記のとおりです。
卵巣から卵子が飛び出し、卵管に到着
性交によって射精された精子が卵管に到着
卵子と精子が出会って受精
受精卵が卵管を通って子宮に移動
子宮に到着した…
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