Drやすゆきの相談室
浅川産婦人科の院長 Drやすゆきが、お産のお悩みについてお答えしていきます
気分が沈み、やる気がありません。うつでしょうか?
産婦人科領域でうつが問題になるのは産後うつ病と更年期閉経頃のうつ状態です。
今回は更年期のうつの話をします。
女性は更年期に内分泌的・社会心理的およびそれらの相互作用で気分障害に罹患しやすいことから更年期症状の一つとしてうつ状態があります。産婦人科領域での更年期障害の治療の柱はホルモン補充を含めたホルモン治療、漢方治療、向精神薬による治療、精神療法・認知行動療法がありますが、更年期うつ病の治療は、やはりうつ病治療をきちんと行うことが基本です。ただ更年期うつ病が独立した疾患概念とはまだなっていませんので、気分障害…
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ホルモン補充療法をはじめてから、ときどき出血します。続けても大丈夫ですか?
ホルモン補充療法には、定期的に月経のような出血を起こす方法以外に、出血を起こさない方法があります。月経のような出血を起こさない方法を選んでも、開始当初は不正出血が起こることはよくありますので、出血の量や期間を主治医に伝えることが大切です。時に悪い病気が見つかることもあるからです。
日本産婦人科医会HPより(当院院長は日本産婦人科医会幹事です)
医療法人皓慈会 浅川産婦人科
理事長・院長 浅川恭行
経歴
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尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス、HPV)の感染により、性器周辺に生じる腫瘍(できもの)です。性交またはその類似行為によって感染する病気で、大部分は性活動の活発な年代にみられますが、まれにご両親などの手指を介して幼児に感染して発症することや、分娩の時にお母さんから赤ちゃんに感染し、乳児の喉に腫瘍ができる可能性もあると言われています。
ヒトパピローマウイルスに感染すると、感染後、数週間から2~3か月を経て、女性の腟、子宮頸部、外陰部、男性の陰茎、陰嚢、男女の尿道周囲、肛門周囲等の性器周辺部に、淡紅色又は褐色調のイボ状の腫瘍が多発します。尖圭コンジ…
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ピルを内服していますが、最近、休薬期間に出血がありません。大丈夫でしょうか?
まずは妊娠の有無の確認が必要です。
妊娠が確実に除外されれば、消退出血がみられなくても特に問題となりません。
医療法人皓慈会 浅川産婦人科
理事長・院長 浅川恭行
経歴
1993年
東邦大学 医学部卒業
1999年
社団法人日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
2007年
東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科講師(病院)
2007年
日本産婦人科…
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アトピーと牛乳の関連はときどき耳にしますが、アトピーの原因についてはいまだに定説はなく、乳製品をたくさん食べたお母さんから生まれた赤ちゃんにアトピー性皮膚炎が多いということが明らかになっているわけではありません。
アトピーを心配して妊娠中に乳製品を控えるように勧める向きもありますが、赤ちゃんの栄養を考えるうえでは問題があります。むしろ、生まれた赤ちゃんがアトピーになること
を恐れて、乳製品をまったく食べないことのほうが心配です。乳製品はたんばく質やカルシウムが豊富なので、食生活にじょうずに取り入れましょう。
日本産婦人科医会HPより(当院院長は日本産婦人科医会幹事です…
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インスタント食品は多く出回っており、調理する手間が省け、時には非常に便利な食品です。
しかし、カップ麺は塩分が多く(4〜6g)、ビタミン、ミネラルがほとんど含まれておらず、その割にカロリーが高い(300〜500kcal)という、栄養バランスの悪い食品です。
カップ麺を食べるときは卵を入れたり、キャベツや青菜のゆでたものを加えるなど工夫して、スープはできるだけ飲まないようにしましょう。
そして、言うまでもないことですが、イン…
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過活動膀胱の原因はなんですか?
尿を膀胱に溜める畜尿そして尿を排出する排尿の一連の働きは主に膀胱そして尿の管である尿道を包む尿道括約筋そしてその活動をコントロールする脳から神経をかえした命令により行われています。脳がおしっこをすると決めたら、神経を通して尿が溜まっている膀胱が縮み、尿道括約筋がゆるみ排尿されますが過活動膀胱の場合はこの一連の動きがうまく働かないで膀胱をコントロールすることができず、膀胱が勝手に縮んでしまいます。
過活動膀胱の病因としては神経因性(脳幹部より上位の障害・脊髄の障害)と非神経因性(下部尿路閉塞・加齢・骨盤底脆弱化・特発性)にわけられます。…
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手指の痛みや腫れが気になります。加齢が原因でしょうか。
手指の症状には関節リウマチなどの原因疾患も多くありますので、まずは主治医の先生に相談することが大切です。
更年期以降の女性に起こる手指の痛みや腫れなどは、手指の使いすぎや加齢が原因と考えられてきましたが、エストロゲン受容体が手指の関節や靱帯にもあるため、更年期以降はエストロゲンの急激な分泌低下により患部の痛みや腫れを引き起こす可能性があります。
関節痛は、更年期に認められやすい症状の1つです。原因疾患が除外された場合、ホルモン補充療法が症状の緩和に役立つ可能性があります。
日本産婦人科医会HPより(当院…
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卵巣がんとは
卵巣は腹腔内(お腹の中)にあること、また自覚症状が乏しいことから卵巣がんが発生してもなかなか早期診断が難しいがんです。実際に卵巣がんと診断された時にはすでにIII、IV期の進行がんであることが約半数であり、このことからも早期診断が容易ではないことが伺われます。その結果、卵巣がんの罹患数は約8000人/年であるものの、死亡数は約5000人/年と、死亡率の高いがんと言えます。また近年、ある種の遺伝子(BRCA1/2)の生まれながらの異常があると、乳がんや卵巣がんになりやすいことが判明し(遺伝性乳癌卵巣癌症候群:HBOC)、某有名ハリウッド女優が予防的乳房切除…
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不妊検査(AMH)について
アンチミューラリアンホルモン(AMH)とは、卵胞(卵子を包み込んでいるもの)から分泌されるホルモンのことで、血液検査によって卵巣内に残っている卵子の数を調べることができる検査です。
不妊検査(AMH)で 分かること
不妊検査(AMH)では、卵子の数が分かるだけであって、卵子の質は分かりません。生まれたときから卵巣にある卵子は、年齢と同じように歳をとります。年齢を重ねた卵子は、機能を失った卵子や、受精卵になっても育ちにくく着床しない卵子のように、卵子の質が低下していくことが分かっています。不妊検査(AMH)は、あくまでも卵巣の中に残っている卵…
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